PropertyGuruで賃貸物件を探しているけど、エージェントの仕組みがよくわからない
エージェントへの仲介手数料は必要なのかな?
シンガポールで賃貸物件を探すときに、理解しておきたいのが、プロパティエージェント(不動産仲介者)とエージェントフィー(手数料)の仕組みです。
この記事では、シンガポールの賃貸契約にまつわる疑問、特にプロパティエージェントと手数料の疑問を解決します!
記事を書いているのはこんな人
ぺとり

- シンガポールで妻・子供2人・ヘルパーさんの5人で暮らしています。
- 現在、現地採用でシンガポール勤務
- 過去に駐在員を経験
プロパティエージェント(Property Agent)とは?
プロパティエージェントとは、不動産の賃貸・売買をサポートする仲介業者のことを指します。日本では不動産会社が仲介を担当するのが一般的ですが、シンガポールでは個人のエージェントが独立して活動しているケースが多いのが特徴です。
日本の仲介会社との最も大きな違いは、プロパティエージェントは家主(貸し手)と借り手のどちらか一方だけを担当するということです。
日本の場合
日本の場合、不動産仲介会社は、家主(貸し手)と借り手の両方を担当することが許されています。このため、不動産会社は家主からも借主からも手数料を取ります。
このため、日本では賃貸物件を探すときは、基本的に仲介料を取られます。
シンガポールの場合
シンガポールでは、プロパティエージェントは、家主側につくか、借り手側につくか、どちらか一方の立場しかとることが出来ません。
家主がプロパティエージェントに手数料を払う場合は、プロパティエージェントは家主側のエージェントとなり、家主の利益最大化に努めます。
逆に、借り手側(あなた)が手数料を払う場合は、プロパティエージェントは借り手側のエージェントとなり、借り手側の利益最大化に努めます。


エージェントが家主と借主の両方を担当することが許されていると、家主の「できるだけ高く貸したい」という要望と、借主の「できるだけ安く借りたい」という要望の2つの対立する利益が発生します。これを利益相反(Conflict of Interest)といいます。
このような状況では、エージェントがどちらか一方の利益を優先してしまう可能性があり、公正な取引が難しくなります。
シンガポールでは、この利益相反を生む構造の契約はできないよう、法律で定められています。

たぶん海外ではシンガポールのやり方が普通で、利益相反を許している日本の仕組みの方が珍しいと思います
プロパティエージェントの役割
借り手のエージェントの主な業務には以下のようなものがあります。
- 希望条件に合った物件の提案
- 内見(Viewing)の手配と同行
- 賃貸契約の交渉
- 契約書の作成・確認
- 鍵の引き渡しや入居時のサポート
- 入居後のトラブル対応・大家との交渉
これらの役割を借り手自身が担える場合は、借り手のエージェントをつけなくても構いません。
シンガポールに長く住んでいるとか海外での賃貸契約の経験がある方なら、これらの業務を自分で行い、借り手のエージェントをつけないことで手数料を節約できます。
逆に、シンガポールに住むのは初めて、という場合や、海外での賃貸契約にまだ自信がないという場合は、手数料を払って借り手側のエージェントになってもらい、大いに味方してもらいましょう!
シンガポールの家はトラブルは結構発生するので、慣れるまでは借り手側のエージェントを付けた方がいいと思います。
エージェントフィー(Agent Fee)の仕組み
シンガポールでは、プロパティエージェントの仲介手数料(エージェントフィー)の支払い義務が発生するかどうかは、エージェントが誰を代表するかによって異なります。
家主(Landlord)側のエージェント
家主がエージェントを雇う場合、その手数料は家主が負担します。
借主(Tenant)側のエージェント
借り手が自分のエージェントを雇う場合、借り手がエージェントフィーを支払う必要があります。
エージェントフィー(Agent Fee)の相場
エージェントフィーは、賃貸契約の期間と家賃の金額によって変わり、取引するエージェントによってもルールが違うため、都度確認した方がよいでしょう。
とはいえ、ある程度の相場は頭に入れておきたいですね。
こちらによると、エージェントフィーの相場は、以下のようなルールになっていることが多いとのことです。。
2年契約 & 月額家賃S$3,500以上 | 借主にエージェントがいない場合、自ら家主側のエージェントに連絡すると、家主が1ヶ月分のエージェントフィーを自身のエージェントに支払う。この場合、借主はエージェントフィーを支払う必要なし。 借主と家主の両者にエージェントがいる場合、家主が支払う1ヶ月分のエージェントコミッションを両者のエージェントで分配。借主はエージェントフィーを支払う必要なし。 |
1年契約 & 月額家賃S$3,500以上 | 借主にエージェントがいない場合、自ら家主側のエージェントに連絡すると、家主が1ヶ月分のエージェントコミッションを自身のエージェントに支払う。 借主はエージェントフィーを支払う必要なし。借主と家主の両者にエージェントがいる場合、家主が支払う1ヶ月分のエージェントコミッションを両者のエージェントで分配。 借主はエージェントフィーを支払う必要なし。 |
2年契約 & 月額家賃S$3,500未満 | 家主は雇ったエージェントに1ヶ月分のエージェントコミッションを支払う。 借主も自身のエージェントに1ヶ月分のエージェントコミッションを支払う。 ただし、借主のエージェントが取引に関与しない場合、借主はエージェントフィーを支払う必要なし。 |
1年契約 & 月額家賃S$3,500未満 | 家主は自身のエージェントに0.5ヶ月分のコミッションを支払う。 借主も自身のエージェントに0.5ヶ月分のコミッションを支払う。 ただし、借主のエージェントが取引に関与しない場合、借主はエージェントフィーを支払う必要なし。 |
上の表で「自ら家主側のエージェントに連絡する」と書いているのは、自分でPropertyGuruで物件を探し、PropertyGuruに書いてあるエージェント(大家のエージェント)に連絡を取るということです(大家のエージェントは家主の依頼で借り手を探しており、PropertyGuruに物件を載せて借り手を探しています)。
PropertyGuru経由でエージェントに連絡をとると「この物件は埋まっちゃったけど、こんな物件もあるよ!」と言っていろいろな物件を紹介してくることがあります。
そして、このようなやり取りで相談に乗ってもらっていると「エージェントフィーは家賃の1か月分だけどいいよね?」と言ってくることがあります。相談に乗っているんだから借り手側のエージェントとして働いていますね?だから成約時にはエージェントフィーをちょうだいしますね?という訳です。
そんなつもりがない場合は、はっきり断りましょう。
プロパティエージェント(Property Agent)の探し方
信頼できるエージェントを見つけることが、スムーズな賃貸契約の鍵となります。以下の方法で、適切なエージェントを探しましょう。
友人や同僚の紹介を受ける
シンガポールに住んでいる知人からエージェントを紹介してもらうのは有効な方法です。実際に利用した人の評価を聞けるため、信頼できるエージェントに出会える可能性が高まります。
エージェントもお客さんからの紹介であるため、あなたを無下にはできませんね。
駐在なら前任者に紹介して貰ってもいいですね
Propertyguruから探す
Propertyguru(https://www.propertyguru.com.sg/)は賃貸物件を探すこともできますが、エージェントを探すこともできます。
具体的に手順を説明しますね。
まず、Propertyguruにアクセスしたら上部の【Find Agent】をクリックします。

次に検索欄上のタグを【Rent】にし、検索欄に希望するエリアや駅名を入力します。

例として、【Novena】で探してみますね。
そうすると、Novenaに関連のある(例えば、Novenaで物件を紹介した実績がある)Agent の一覧が表示されます。

例として、一番上の人をクリックしてみます。
エージェントをクリックすると、過去のエージェントとしての実績が表示されます。

上の実績から、この人は、大家側のエージェントとして働いた経験が豊富で特にコンドミニアムが得意のようです。

また得意エリアはシンガポール全域のようですね
このように、エージェントの実績や過去のお客さんのレビューを見ることが出来ます。これらの情報をヒントに、味方になってもらうエージェントを探してみましょう。
気になった人がいれば、ページ下部の連絡先からWhatsAppでやり取りを開始できます。

エージェントフィーの支払い義務が発生するのは賃貸契約成約後なので、やり取りしてみて「ちょっと違うかな~」と思ったら、断っても構いません。
まとめ
シンガポールでの賃貸物件探しには、プロパティエージェントの利用が一般的です。ただし、日本とは異なるエージェントフィーの仕組みがあるため、事前に理解しておくことが大切です。
- 大家側のエージェント、借り手側のエージェントという立場が存在する。
- エージェントフィーは契約の形態や家賃によって異なる。
- エージェントを探す際はポータルサイトや紹介を活用する。
シンガポールでのスムーズな物件探しのために、適切なエージェントを選び、賢く交渉していきましょう!
記事が参考になれば幸いです!