ハリラヤで仕事が休みになったけど、ハリラヤってなんなんだろう?
ハリラヤ・プアサとハリラヤ・ハジは何が違うのかな?
シンガポールに住んでいると、「ハリラヤ(Hari Raya)」という言葉をよく耳にします。特に、ショッピングモールや街中で華やかな飾り付けが施される時期には、「どんな祝日なの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、シンガポールにおけるハリラヤの意味や祝い方、ローカルの雰囲気などを現地在住者目線で詳しく解説します!
記事を書いているのはこんな人
ぺとり

- シンガポールで妻・子供2人・ヘルパーさんの5人で暮らしています。
- 現在、現地採用でシンガポール勤務
- 過去に駐在員を経験
ハリラヤとは?
ハリラヤとは、イスラム教の祝日で、「Hari Raya」はマレー語で「大きな祝日」という意味を持ちます。シンガポールでは、以下の2つのハリラヤが祝日として制定されています。
ハリラヤ・プアサ(Hari Raya Puasa)
ハリラヤ・プアサは、ラマダン(断食月)が明けたことを祝う日で、 イスラム教徒にとって最も重要な祭日のひとつです。ラマダン期間中、ムスリムの人々は日の出から日没まで断食を行い、自己修養や信仰の強化を図ります。その後、断食が終わると、家族や親戚が集まり、盛大にお祝いをします。
この祝日はイスラム暦10月1日にあたるため、グレゴリオ暦では毎年異なり、4月〜5月頃に祝われます。2025年のハリラヤ・プアサは3月31日(月)です。
- 2023年:4月22日(土)
- 2024年:4月10日(水)
- 2025年:3月31日(月)
イスラム暦(ヒジュラ暦)に基づくため、グレゴリオ暦では毎年約10〜11日ずつ前倒しになります。
ハリラヤ・ハジ(Hari Raya Haji)
ハリラヤ・ハジは、イスラム教の巡礼(ハッジ)の完遂を祝う日で、「犠牲祭(イード・アル=アドハー)」とも呼ばれます。預言者イブラヒム(アブラハム)が神に忠誠を示すために息子を犠牲にしようとした故事に由来し、この日には動物の犠牲を捧げる儀式が行われます。
この祝日はイスラム暦12月10日にあたり、グレゴリオ暦では毎年異なり、6月〜7月頃に祝われます。2025年のハリラヤ・ハジは6月6日(金)です。
- 2023年:6月29日(木)
- 2024年:6月17日(月)
- 2025年:6月6日(金)
シンガポールでは、どちらのハリラヤも国の公休日となっています。
シンガポールのハリラヤの過ごし方
シンガポールでは、ハリラヤ・プアサの前後に特に活気づくエリアがあります。その代表的なスポットを紹介します。
ゲイラン・セライ(Geylang Serai)
シンガポール最大のマレー人コミュニティがあるゲイラン・セライは、ハリラヤの時期になると大規模なマーケットやイルミネーションが登場します。ここでは、伝統的な衣装(バジュ・クルンやバジュ・ケバヤ)やお菓子(クエ・ラヤ)などが販売され、多くの地元住民や観光客で賑わいます。
マスジッド(モスク)での礼拝
ハリラヤ・プアサの朝、ムスリムの人々はモスク(Masjid)に集まり、特別な礼拝を行います。特に、サルタン・モスク(Sultan Mosque)はシンガポールで最も有名なイスラム教の聖地で、この時期には多くの信者が訪れます。

家族や友人との訪問(オープンハウス)
ハリラヤの日には、家族や友人の家を訪れる「オープンハウス」という習慣があります。訪問先では、伝統料理やお菓子が振る舞われ、楽しい時間を過ごします。

SMART PARENTING: Open house, open hearts
新しい服を買う
断食月の終了は精神的な浄化を意味し、新しい服を着ることで、清らかな状態で新しい生活を迎えるという意味があります。
男性は「バジュ・クルン(Baju Kurung)」、女性は「バジュ・ケバヤ(Baju Kebaya)」といった伝統衣装を新調し、家族全員で統一感のあるカラーを選ぶことが一般的です。
ハリラヤ前には、ショッピングモールやゲイラン・セライなどのマーケットでハリラヤ用の新しい服が販売され、セールも行われます。

ハリラヤに楽しめるローカルグルメ
ハリラヤの時期には、特に人気のあるマレー料理やスイーツが登場します。シンガポールに住んでいるなら、ぜひ試してみたいグルメを紹介します。
レンダン(Rendang)
牛肉や鶏肉をスパイスとココナッツミルクで煮込んだ濃厚な料理。ハリラヤの定番メニューの一つです。

柔らかくて、美味しいです!
クエ・ラヤ(Kuih Raya)
ハリラヤの時期に楽しまれる伝統的なお菓子の総称。特に「パイナップルタルト」や「クエ・ラピス(層になったカラフルなケーキ)」が人気です。

サテー(Satay)
マレーシアやインドネシア料理としても有名な串焼き料理で、ピーナッツソースをつけて食べるのが特徴。

ハリラヤに関する注意点
ラマダン期間(断食)の配慮
ハリラヤ・プアサはラマダン明けの祝日なので、ラマダン期間中(約1か月間)はムスリムの人々が日中飲食を控えています。
ラマダン中の飲食は、ムスリムへの配慮があるといいですね。
具体的には、日中、断食中の人の前で飲食するのは出来れば避けたいですね
商業施設・交通機関の影響
ハリラヤ当日は家族の集まりが多く、一部のエリア(特にマレー系のコミュニティが多い地域)で非常に混雑します。
シンガポール人の同僚に「ハリラヤ前後は混むから、用がないならゲイランの方に行かないほうがいいよ~」と言われたことがあります。
まとめ
ハリラヤは、シンガポールの多文化社会を象徴する祝祭の一つです。イスラム教徒にとっては宗教的に重要な日でありながら、非ムスリムの人々もその文化を楽しむことができる特別な機会でもあります。
シンガポールに住んでいる方や旅行を計画している方は、この時期のローカルイベントやグルメをぜひ体験してみてください!
記事が参考になれば幸いです!