
エージェントからシンガポールの賃貸契約書にサインしてと言われたけど、どこを確認すればいいのかな?



契約書に書いてある期間や金額はどのくらいが一般的なのかな?
シンガポールで賃貸物件を借りる際に避けて通れないのが、Tenancy Agreement(TA)と呼ばれる賃貸契約書の締結です。しかし、TAには専門用語が多く、細かい条件が記載されているため、しっかり理解せずにサインしてしまうと後々トラブルに発展する可能性があります。
本記事では、TAの基本的な構成と頻出単語の意味を解説し、特に注意すべき条項について詳しく説明します。シンガポールで安心して賃貸契約を結ぶために、ぜひ最後まで読んでみてください。


- シンガポールで妻・子供2人・ヘルパーさんの5人で暮らしています。
- 現在、現地採用でシンガポール勤務
- 過去に駐在員を経験
Tenancy Agreement(TA)とは?
Tenancy Agreement(TA)は、賃貸人(Landlord)と借主(Tenant)が結ぶ公式な契約書です。この契約書には、家賃やデポジット、修繕義務、退去時の条件など、賃貸に関する詳細な規定が記載されています。
TAは通常、エージェントを通じて取り交わされますが、内容は物件ごとに異なります。そのため、事前に契約書をよく読み、不明点はエージェントに確認することが重要です。



Tenancy Agreementは略してTAと呼ぶことが多いです。
TAに頻出する英単語
まず、TAに頻出する英単語を押さえておきましょう。
Landlord(賃貸人): 物件のオーナーまたは管理会社。
Tenant(借主): 物件を借りる人。
Deposit(デポジット/保証金): 一般的に1~2か月分の家賃を支払う保証金。契約終了後に返金されるが、修繕費などが差し引かれることもある。



Deposit は日本でいう敷金にあたり、全額返ってくるかわからないところも似ています。
TAで確認すべき項目
TAの中で特に注意して確認すべきポイントを詳しく解説します。
Deposit の金額
シンガポールでは契約時に、家賃の1または2か月分のDeposit を払うことが一般的です。
例えば、家賃4000シンガポールドル/月、デポジットが家賃2ヶ月分と書かれていれば、8000シンガポールドルを家賃とは別に入居時に大家に払う必要があるということです。
Deposit は、基本的に契約終了後に返却されますが、全額返金されるかどうかは、物件の状態次第であり、破損や清掃費用によってある程度、差し引かれる可能性があります。
入居に必要なDeposit がいくらなのか、契約時に確認しておきましょう。



ちなみに、退去時に払う礼金はシンガポールでは一般的ではありませんので無いのが普通です。
Problem-Free Period
契約開始後、一定期間以内に発見された瑕疵は、大家の負担により修理されます。この期間をProblem-Free Periodといい、一般的に、入居から1か月が、Problem-Free Periodとして設定されています。



Problem-Free Periodの期間は必ず確認しておきましょう
借り手の修理費の負担上限
物件の修理に関して、少額なら借り手の全額負担、ある一定額を超えると超えた分は大家負担となるのが一般的です。この上限は、150-250シンガポールドルが一般的であると思います。



もし借り手の修理費の上限が明記されていなかったら、エージェントに確認しましょう。
定期的なエアコンクリーニングの義務
エアコンの使用頻度の高いシンガポールでは、エアコンの定期的なクリーニング(一般的に3か月おき)が借り手の義務となっていることが多いです。
下記の点確認しておきましょう。
- クリーニング頻度はどの程度か?(3か月おきが一般的)
- エアコンクリーニング業者の指定はあるか?(大家と懇意の業者が指定されていることがある)
- 退去時に求められるもの(退去時にエアコンクリーニングの履歴が必要な場合がある)


退去時のカーテンクリーニングの義務
シンガポールの賃貸物件では、カーテンは物件の備え付けで、退去時にクリーニングを求められることが多いです。提出必要書類と履行しなかった場合どうなるかを確認しておきましょう。


退去時のクリーニングの義務
シンガポールの賃貸物件では、退去時に業者によるプロフェッショナルクリーニングをすることが借り手の義務となっていることが多いです。
Prohibitions 条項(禁止事項)
借り手がやってはいけないことは、TAのProhibitions 条項(禁止事項)にまとめられています。例えば、以下の項目が書かれていることが多いです。



Prohibitions 条項にはそれほど変わったことは書かれていないと思いますが、念のため確認しておきましょう。
Viewing(賃貸中の内覧協力)
契約終了が近づくと、オーナーが新しい借主を探すために物件を内覧させるケースがあります。また、オーナーが別のオーナーに物件を売るため、内見が必要になるケースがあります。
この場合、物件には、まだ借り手(あなた)が住んでいるため、Viewing(内見)はあなたが家にいる時間に行われます。このことについて、TAで述べていることが多いですので条件を確認しておきましょう。
内覧協力の義務はあるか?
オーナーが内覧のために物件を見せる際の通知期間はどれくらいか?
退去前の通知(Notice Period)
契約満了前に退去を希望する場合、通常は1~2か月前にオーナーへ通知する必要があります。通知期限を守らないとデポジットが返金されない可能性もあるため、しっかりと把握しておきましょう。



大家も次の借り手を探さなければならないため、退去する場合は、2か月以上前に通知するようにしましょう。決定した時点で、伝えた方が良いですね。
Diplomatic Clause(ディプロマティック条項)
シンガポールでは国外からの労働者(Expat)が多いため、賃貸契約書にDiplomatic Clause(ディプロマティック条項)という項目があります。
これは、勤務先の都合で国外転勤や解雇となった場合に、契約を早期解約できる条項です。勤務先の都合で、予定より早く帰国することになった場合などに、この条項が使用されます。



急に帰国することになったとき、どんなアクションが必要か、TAを確認しておきましょう。
Stamp Duty (印紙代)
契約書を公的なものにする手続きにかかるStamp Duty (印紙代)を借り手が負担します。
まとめ
シンガポールの賃貸契約(TA)は、日本では一般的でない義務や条項を含むため、十分な確認が必要です。
とくに、契約後にトラブルにならないよう、以下の点はしっかりと確認してからサインしましょう。
- デポジットの取り扱い
- 修理やメンテナンスの費用負担
- 退去時の条件(クリーニング費用、通知期間)
- 契約解除に関する条件(Diplomatic Clause)
契約書を読むのが不安な場合は、不動産エージェントや専門家に相談するのもおすすめです。シンガポールでの快適な賃貸生活のために、契約内容を理解し、慎重に判断しましょう!



記事が参考になれば幸いです!

