- 投資を始めようと思うが生活防衛資金をいくら考えればいいか分からない。
- そもそも生活防衛資金って何かよくわかってない。
- 生活防衛資金を貯めるまで投資しない方がいいのか知りたい。
結論
生活防衛資金とは、もしものときの支出に備えて、投資に回さずに預金として手元に残しておくお金のことです。
生活防衛資金がいくら必要かは、月間の生活費から算出するためひとによって金額が変わります。
生活防衛資金 = 世帯の1か月分の生活費 x 必要月数
会社員・公務員(収入が安定している方): | 生活費6か月分 |
個人事業主(収入が安定しない方): | 生活費1年分 |
生活防衛資金が溜まるまでは、生活防衛資金を貯めることを最優先とすべきですが、投資も少額で始めて慣れてみるのがよいでしょう。
生活防衛資金とは・・・?
生活防衛資金は”お金は寝かせて増やしなさい”の中で以下のように定義されています。
生活防衛資金とは、リストラ・長期入院・災害などなにが起きても、自分と家族の生活をしっかり守るためのお金です。
— お金は寝かせて増やしなさい by 水瀬ケンイチ
例えば、あなたが現在、結構な貯金があって、いくらか投資として株や投資信託に回そうとしているとします。
そのとき、いくら投資に回せばいいのでしょうか?
生活防衛資金とは、投資に回さないお金のことです。
生活防衛資金を手元に残しておくことで仮に収入がゼロになっても何か月か生活できるため、生活が破綻するリスクを減らすことができます。
資産を投資に回しすぎて、生活費が払えない!なんてことのないようにしましょう!
生活防衛資金はいくら必要か?
生活費はひとによって金額が違うため、生活防衛資金がいくら必要かも人によって金額が違います。
生活防衛資金 = 1か月分の生活費 x 必要月数
たとえば、わたしの場合、わたしたち家族(夫、妻、子ども2人)の月間の生活費は約35万円なので、35万円 x 必要月数と考えます。
従って、生活防衛資金を設定するにあたって初めにやることは、1か月分のあなた(とあなたの家族)の生活費がいくらなのか把握することです。
これが明確に分かっていないなら、まだ投資はやめておいた方が良いと思います。
生活費の管理については、他記事がありますのでまずはこちらを参照ください。
生活防衛資金は生活費何か月分にすべきか?
1か月分の生活費がはっきり分かったとして、では、生活費何か月分を生活防衛資金とすべきなのでしょうか?
実はこれには諸説あります。
“ほったらかし投資術” の中で、2人の著者はまるっきり違うことを言っています。
必要な生活防衛資金 | |
山崎元さん | 3か月分 |
水瀬ケンイチさん | 24か月分(2年分) |
3か月だけでいい派の意見
3か月だけでいいと主張する山崎元さんは、以下のような主張をしています。
上場株式や公募の投資信託の場合、特殊な商品や状況(戦争や天災?)でなければ、数日で換金することができます。お金が必要になった時には、投資している投資信託の一部を解約ないし売却して、十分対応することができます。
— 全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド (朝日新書) by 山崎元, 水瀬ケンイチ
つまり、リストラ・長期入院など不測の事態が起きて、収入が途絶えたとしても、投資信託はすぐに売れるのだから、ピンチのときは、一部売ってしまえばいいという考え方です。
24か月必要派の意見
24か月(2年)必要だと主張する水瀬ケンイチさんの意見は以下の通りです。
突然のリストラ や 長期入院などに備えると同時に、資産運用の心 の平静を保つための大切な役割があると考えています。
(中略)不幸にも一方的にリストラされるような場合は、経済の状況が相当悪化していることが想像されるので求職期間はより延び、株などの資産はより減るというダブルパンチになります。
— 全面改訂 ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド (朝日新書) by 山崎元, 水瀬ケンイチ
自信を持って、投資を続けるには、十分な資金を手元に残しておく必要があるという主張ですね。
実際、リーマンショックやコロナショックで株価が暴落したときには多くのリストラが断行されており、このようなときに失職すれば、次の仕事は見つかりづらいうえに、株も暴落しているので売るに売れません。
結局どっちがいいのか?
3か月派も24か月派も一定の論理がありそうです。
わたしは、コロナショックを経験した経緯も踏まえて、現在、生活防衛資金は6か月としています。
真に重要なのはあなたのリスク許容度
ここまで、いくつかの事例を紹介してきましたが、実は、真に重要なのは、あなたのリスク許容度なんです。
リスク許容度というのは、あなたがどのくらい資産の増減に対して冷静でいられるかということです。
わたしはコロナショック前までは、生活防衛資金は3か月としていました。
でもコロナショックで株価が暴落すると、夜、安心して眠れなくなってしまいました。
わたしのリスク許容度を超えた資産を投資に回してしまっていました
リスク資産が暴落しても、安心して心穏やかに暮らすためには、十分な金額の現金を手元においておく必要あります。
あなたがどのくらいのリスクに耐えられるかは、あなたが、投資経験を積んでいく中でだんだん分かってきます。
結局、どうすればいいのか?
目安として会社員の投資初心者は、生活防衛資金として6か月を目安にすることをおすすめします。
個人事業主などで、収入が安定しない方は、1年分は取っておいた方がよいでしょう。
でも、何度もいうようですが、重要なのはあなたのリスク許容度ですよ!
生活防衛資金が溜まるまで投資しない方がいい?
生活防衛資金が溜まるまでは、本格的な投資は行わない方がいいでしょう。
でも例えば、月に5万円を生活防衛資金として貯金できるなら、このうちの10%くらいは、積立NISAなどを通じて、少額の投資を開始してもよいと思います。
つまり、4万5000円は生活防衛資金として貯金して5000円は投資信託を買うということです。
少額でも、始めてみると大体の具合がわかってきますから、本格的に始める前の練習になりますよ。
上の例だと、月4万5000円ずつ貯金して、無事、目標の生活防衛資金(例えば200万円)が溜まったら、その後は、投資に回す比率を増やしていきましょう。
このときも、自分のリスク許容度が掴めていないうちは、無理して突っ込まないようにしましょう
もしもの時の練習として、試しに投資信託を売ってみる
早い段階で、「投資信託を売る」練習もしておきましょう!買った投資信託の一部を売ってみましょう。最小単位で構いません。
投資信託を売るのにどのくらい時間がかかって、どのくらいで現金化できるのか、今後のために、つかんでおきましょう!
投資に回したお金が、どのくらいで現金として自分の手元に帰ってくるのか把握しておくと、今後の安心材料になりますよ。
おわりに
ここまで、生活防衛資金について説明してきました。
まとめますと・・・
生活防衛資金とは、もしものときの支出に備えて、投資に回さずに預金として手元に残しておくお金のことを指します。
生活防衛資金がいくら必要かは、月間の生活費から算出するためひとによって金額が変わります。
生活防衛資金 = 世帯の1か月分の生活費 x 必要月数
会社員・公務員(収入が安定している方): | 生活費6か月分 |
個人事業主(収入が安定しない方): | 生活費1年分 |
生活防衛資金が溜まるまでは、生活防衛資金を貯めることを最優先とすべきですが、投資も少額で始めて慣れてみるのがよいでしょう。
さいごに生活防衛資金について書かれた本を紹介しますね。